上記のリストからもわかるとおり、誕生石は国によって異なった部分があり、また、月によっては一つではなく複数の石が割り振られている場合もあります。
10月の誕生石はオパールもあればトルマリンもあります。
これは何故なのでしょう・・・??
誕生石をもっていると幸運が得られるという考え方はもともとユダヤ民族の間に伝わっており、ヨーロッパに伝わったのは18世紀のポーランドにおいて、ユダヤ商人が広めたと言われています。
現在の「誕生石リスト」が決められた原型は、1912年にアメリカの宝石協会が、著名な宝石学者であるクンツ博士の研究をもとに制定したものです。
これを受けて、イギリスにおいても1937年に独自の誕生石リストを制定。
1952年には、アメリカの宝石協会が、再度リストを改訂。
他にも各国で独自の誕生石リストが作成されることになり、
日本では、1958年に全国宝石商組合が、東洋の宝石である珊瑚と翡翠を加えたリストを作成したとされています。
さらにもっと深く、誕生石の起源をひもといてみましょう。
さまざまな説はありますが、下記の3つが主な根拠とされとます。
古代バビロニアでは占星術が発達しており、天然石は各星座の波動の影響を受けているという考え方をしていました。そこで黄道十二宮をめぐる特定の星座が天頂にきて支配する期間中は、それに対応する石を身につけると幸運が得られるとされていました。時代が下がるにつれて、これが星座別ではなく、月別の石と変化していきました。
同書28章には、ユダヤ教の祭司長の「裁きの胸当て」につけるべき12個の宝石名が記載されています。これらはイスラエルの十二部族を象徴するもので、3種類の石で一列を作り、4列編成にしたとます。
第一列: ルビー、トパーズ、エメラルド
第二列: ガーネット、サファイア、ジャスパー
第三列: オパール、アゲート、アメシスト
第四列: アクアマリン、ラピスラズリ、碧玉
同書の第21章には、聖なる都エルサレムの城壁の土台石は、12種類の宝石で飾られていたと記載されており、これが誕生石のベースになったという説。
第一の土台石: ジャスパー
第二の土台石: サファイア
第三の土台石: カルセドニー
第四の土台石: エメラルド
第五の土台石: サードオニキス
第六の土台石: カーネリアン
第七の土台石: ペリドット
第八の土台石: ベリル
第九の土台石: トパーズ
第十の土台石: クリソプレーズ
第十一の土台石:青玉
第十二の土台石:アメシスト
上記のうち、第十一の青玉とはサファイアではなくラピスラズリを指したのではないかと思われます。古代において、この2つの石の名前は混同されていたようです。
このように、ベースとなっている考え方は、古代中東における「十二」というキーワードです。ただ実際のところは、これは後付けの根拠に過ぎないと思われます。
月毎の誕生石というものは、バレンタインのチョコレートや節分の丸かぶり寿司と同じようなもので、ユダヤ人が主流を占めていた宝石商が、販売促進のために発案したものと考えてまず間違いないでしょう。
誕生月ごとのラッキーストーンという切り口で宝石を販売するため、その根拠として新旧聖書のうんちくをベースに、ダイヤモンドやルビーなど販売側にとっても魅力的な宝石も加えてリストを作成した、というところが実相と思われます。
ただし、天然石を加護の守り石として携帯する習慣は、民族を問わず古代から広く行われてきたことであり、特に前述した星座と天然石の関連はあながち迷信として見過ごせない部分があります。
単純な例をあげてみれば、太陽黒点の個数が変われば地球に降り注ぐ磁気嵐の量も大きく変わり、それによって地球環境が多大な影響を受けていることは科学的に証明されています。
月の引力が、潮の満ち引きや人の身体に影響を与えていることも同様です。
このように、惑星や恒星の配列によって地球に与えられる影響は非常に大きなものですし、そうした宇宙からの波動を水晶を初めとする鉱物が「受信する」と考えるのは自然なことのように思えます。
ところが、こうした点を深く解説していくとどうしても内容がオカルトチックになりがちで、一般の人にも抵抗なく受け入れられるようにはなりにくい。
そこで誕生月毎の守護石として取り入れたところ、これが見事に当たり各国に広まっていったというわけなのでしょう。
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