2. デュモルチェライト・ストーリー
デュモルチェライトの特徴
デュモルチェライト自体は、空色〜蒼色の塊状の石が多くなります。塊状とは、簡単に言えば岩石のような外観のことで、ひとつひとつの結晶は肉眼で識別しづらいタイプです。
青い色調で、塊状ですから、見かけはソーダライトやラピスラズリにそっくりで、デザート・ラピスという誤称もあるほどです。 マニアックな石ですが、これまでにも世界各地で産出してきました。
ところが近年、デュモルチェライトの微細な結晶を含んだ水晶、いわゆる「デュモルチェライト in クォーツ」がブラジルで発見され、大きな話題になりました。塊状ではなく、結晶が水晶に内包されているタイプはこれまでにない新発見であったことに加え、その美しさが人々を驚かせたのです。
とくに透明度の高い水晶内に、鮮やかな青色の針状結晶を内包した石は非常に美しく、原石はもちろん、ビーズ加工して作ったブレスレットなどは、数万円〜数十万円で取り引きされるほど人気を呼んでいます。
これまで青い色調の水晶といえば、インディゴライト(ブルートルマリン)やアクチノライトが混入した、いわゆるブルールチルと呼ばれるものだけでしたが、また新しい仲間が加わったことになります。
名称の由来
発見者であるフランス人、ユージン・デュモルティエ氏(Eugene Dumortier)にちなんで名付けられました。
デュモルチェライトの意味
デュモルチェライトのパワーストーンとしての意味は、まず「知力の断捨離をもたらす石」と表現できます。
私たちは日常的に大量の情報に接しています。言葉、文字、図表、音、味、匂い、記憶、そしてインスピレーションという名の第六感。私たちは自然にこれらの情報を取捨選択し、自分の価値観や記憶に沿って整理し、自らの知力を形作っていきます。
ところが、そうした情報の処理は必ずしも系統的に行えるわけではなく、自分の感情や欲求によって場当たり的に取捨されたり、あるいは大量の情報を前に選択不能となってしまうケースも多々あります。ウェブメディアの登場以降、とくにこうした「情報に溺れる」状態になってしまう方は多いようです。
デュモルチェライトはこうした状態を改善してくれます。頭脳を明晰に保ち、その場の感情や欲求に流されることなく理性を保ち、攪乱要素からは超然として離れ、不要な情報は捨て、本当に必要な情報だけを採り入れてきちんと統合し、使える状態にしていくサポートを行います。これが「知力の断捨離」という意味です。
デュモルチェライトのこうした力が如実に発揮されるのは、困難や危機的状況に陥った時です。
危機に直面すると、人はどうしてもオロオロして感情的に不安定になったり、頭に血がのぼって不必要な言動をとりがちです。デュモルチェライトはこうした時にストレス要素に惑わされることなく、集中力を高め、その時に必要な情報を採り入れ、解決策を見いだして切り抜けていくサポートを行います。あたかも目前の障害物を察知して、知力によって大空に向かってジャンプし、「危機を飛び越え別の場所に移動する力」を得るようなものです。
それ故に、デュモルチェライトは「危機を転機に変える石」とも言えるでしょう。
知力やインスピレーションを高めるという意味ではラピスラズリに通じる部分があり、危機的状況を冷静に切り抜けるという意味ではサファイアに通じるものがあります。
また、デュモルチェライトは持ち主の表現力をサポートするので、「人とのつながりを変えていく」意味も持ちます。
普段は人間関係を気にしすぎるあまり、言いたいことも言えず、周りに合わせ過ぎて苦しんでいる方には適した石です。周囲の不要な雑音からは超然とする心の耐性を養い、自分の考えや心の丈を適切な形で表現させてくれます。そういった意味では、ターコイズに通じるものがあります。
以上はデュモルチェライト自体の意味ですが、この鉱物が水晶に含まれたいわゆる「デュモルチェライト in クォーツ」の場合、水晶によりこうした意味がより増幅されるか、よりクリアーな形で持ち主に伝わると考えられます。